政府は「経済財政運営と改革の基本方針2021(骨太方針2021)」ならびに「成長戦略実行計画」「成長戦略フォローアップ」「規制改革実施計画」等を閣議決定しました。
骨太方針2021
感染症に対し強靭で安心できる経済社会を構築
第1章では新型コロナウイルス感染症の克服に向けた対応と、ポストコロナの経済社会ビジョン、第2章では菅政権が力を入れるグリーン、デジタル、地方創生、子育ての「4つの原動力」
に関する施策、第3章では感染症で顕在化した課題等を克服する経済・財政一体改革が示されました。
第1章のうち「感染症に対し強靭で安心できる経済社会の構築」では、医療提供体制の整備に関し、相談・受診・検査~療養先調整・移送~転退院・解除までの一連の対応が目詰まりなく行
われ、病床・宿泊療養施設が最大限活用される流れを確保するとともに、緊急時対応はより強力な体制と司令塔の下で推進すると示されています。
第3章の「社会保障改革」では、今般の感染症対応を機に新たな仕組みを構築する必要性を具体的に示しています。例えば平時と緊急時で医療提供体制を迅速・柔軟に切り替える仕組みの構築、かかりつけ医機能の強化・普及による医療機関の機能分化・連携の推進、診療所も含む外来機能の明確化・分化の推進等が盛り込まれています。
また、2022年度から団塊の世代が75歳になりはじめることを見据え、持続可能な全世代型社会保障の実現に向けた取組の実施状況を検証することになります。給付と負担のバランスや現役世代の負担上昇の抑制、能力に応じた負担のあり方なども含め社会保障全般について総合的に検討し、これら対応についても速やかに着手するとしています。
規制改革実施計画
オンライン診療・オンライン服薬指導の特例が恒久化
また、政府が決定した「規制改革実施計画」では、「デジタルガバメントの推進」「デジタル時代に向けた規制の見直し」等を重点分野としています。このうち厚生労働省所管の健康保険関連の改革事項では、オンライン診療・オンライン服薬指導の特例の恒久化や健康保険証(※)の直接交付について検討や措置等の対応を求めています。
なお、健康保険証の直接交付についてはすでに厚生労働省が実施に向けて準備を進めており、本年10 月から可能となる予定です。
※事業主を経由せず健保組合から被保険者に直接保険証を交付すること