昨シーズンのインフルエンザ患者数は約 1 万 4,000 人で、厚生労働省が現行調査を開始して以来初めて、流行なしでシーズンが終わりました。コロナ感染対策と多くの人がインフルエンザの予防接種を受けたことが奏功したと考えられています。今年もインフルエンザの予防接種を受けましょう。
インフルエンザワクチンの最も大きな効果は重症化予防
インフルエンザワクチンを接種すると、免疫反応で体の中に抗体がつくられます。抗体があることで、インフルエンザにかかりにくかったり、かかったとしても重症化を抑えることができます。
とくに持病(ぜんそくや慢性呼吸器疾患、慢性心疾患、糖尿病など)のある方や高齢の方では重症化しやすいので、かかりつけ医と相談のうえ、接種を受けることをおすすめします。
予防接種は12月中旬までに終えよう
日本では、例年1月末~3月上旬にインフルエンザの流行のピークを迎えます。インフルエンザワクチンは、接種からその効果が現れるまで通常約2週間程度かかり、約5カ月間その効果が持続するとされています。流行に備えるには、12 月中旬までにワクチン接種を終えましょう。
なお、13 歳未満は2回接種(初回接種からおよそ4週間後に 2 回目接種)が必要です。余裕をもってスケジュールを組みましょう。
Q 昨年、予防接種を受けたけれど、今年も受けたほうがいいの?
A 今年も受けることを検討してください。
インフルエンザウイルスは毎年少しずつ変異して異なるタイプが流行します。ワクチンは、そのシーズンに流行することが予測されたウイルスを用いて製造されているので、毎年予防接種を受けましょう。
2021/2022冬シーズンのインフルエンザワクチン株
・ A/Victoria(ビクトリア)/1/2020(IVR-217)(H1N1) |
予防接種+感染を防ぐ生活習慣を!
● 外出中の感染対策の徹底
マスク着用、手洗い・手指消毒、人混みを避けましょう。
● 体の免疫力を高める
バランスのよい食事、適度な運動、十分な睡眠などを心がけましょう。
● 室内では換気しながら、適度な湿度を保つ
空気が乾燥すると、のどの粘膜の防御機能が低下するだけでなく、ウイルスも飛散しやすくなります。換気しながら、加湿器などを使って 50 ~60%の湿度を保つと感染予防に効果的です。
新型コロナワクチンとインフルエンザワクチンを同時に接種できるの?
原則として、新型コロナワクチンとそれ以外のワクチンは、同時に接種できません。新型コロナワクチンとその他のワクチンは、片方のワクチンを受けてから 2 週間後に接種できます。
※創傷時の破傷風トキソイド等、緊急性を要するものに関しては、例外として 2 週間を空けずに接種することが可能です。