煙が見えない 加熱式タバコにも受動喫煙のリスクあり!

近年普及している加熱式タバコは、加熱によって発生した蒸気を吸うため、煙が見えずにおいも少なくなっています。2020 年に施行された改正健康増進法でも、加熱式タバコ専用の喫煙室であれば、飲食をしてもよいことになっています。こうしたことから、「加熱式タバコによる受動喫煙のリスクは、あまりないのではないか?」と考えている人がいるかもしれません。

加熱式タバコは販売開始から歴史が浅く、使用と病気や死亡のリスクとの関連を科学的に証明するにはまだ時間がかかります。しかし、加熱式タバコの主流煙には紙巻きタバコとほぼ同レベルのニコチン等の有害物質が含まれているとの報告があるほか、加熱式タバコ使用者の呼気に特殊なレーザー光をあてると、大量のエアロゾル※ 1 を出していることがわかります。加熱式タバコに似た仕組みの電子タバコ(日本未発売)のエアロゾルには、紙巻きタバコより濃度の濃い有害物質も認められており、WHO(世界保健機関)では「受動喫煙者の健康を脅かす可能性があると考えることが合理的である」と指摘しています。
煙が見えないからといって、受動喫煙のリスクがゼロとはいえません。加熱式タバコも、保険適用の禁煙治療が受けられます※ 2。大切な人を守るためにも、禁煙をおすすめします。

※ 1  エアロゾル…気体中に浮遊する微小な液体または固体の粒子と周囲の気体の混合体のこと。
※ 2  一定の条件あり。

参考:非燃焼・加熱式タバコや電子タバコに対する日本呼吸器学会の見解